着物でつながる想い①

着物でつながる想い①

愛するということ

 

 

dummy
みにしば

着物のお陰で大きな夫婦愛に触れたお話です

あなたに惚れ込んだのよ

「あなたに惚れ込んだのよ」
と託された着物

普段着物だったり
茶道をしていると
袖を通してくれるならと
着物をお譲りいただく
機会もあります。

きっと価値がわかる人に
大切に着て欲しい
生きた使い方をして欲しい
そんな気持ちなんだろうな

「あの世には持って行けないから」と
笑って差し出された着物への愛着は
手入れ加減でわかるもの

愛する旦那様の着物 


茶道を教えていたその方は
上品で少し寂しそう
聞けば3年前に旦那様を亡くされて
独り暮らしとのこと

ひとしきりお話すると
毎週末息子さんご家族が
遊びに来るし
ケアの方など
時間的には
毎日予定が入っているご様子

なんだかホッとした帰り際
玄関でご挨拶したとき
その方は目を潤ませて
言うのです
「やっと手放せた…」
それは愛する旦那様の着物

そんな辛い顔みたら
いただくわけにはいきません
あわてて
返そうとする私を
弱々しいはずのその方が
毅然と制します

「あなただから手放すの。
ずっと片づけなきゃって思ってたし
昨年末に入院して施設に入れって言われて
思い立ったの
それで
あなたに来てもらったのよ」

 

老婆が輝くとき


だから
もう一度玄関に座って
その方の手を握り

・旦那様のお名前は?
・ご職業は?
・背格好は?
・思い出のエピソードは?

そしたら
生気のない美しい老婆が
無邪気な少女のように
輝きだしたんです。

中学の体育教師だった旦那様
快活で休日も部活に夢中で
家に居なかったけど
食事は必ず一緒だったと。

うんうんと頷き
なぜか私も泣きながら
男着物の思い出を
暗くなるまで聞きました。

 

よみがえる愛

先日
着物のイベントをしました。

あの着物をまとった男性は
大好きな彼女と
「着物でまちあるき」
着物がつなげる想い
こうして蘇らせる密かな
企みが醍醐味なんです。