恐竜より強い?!清らかな蓮の女神【旧暦第32候 蓮始開はすはじめてひらく】

恐竜より強い?!清らかな蓮の女神【旧暦第32候 蓮始開はすはじめてひらく】

<蓮の花が咲き始める時期/新暦7月12~7月16日頃>

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みにしば
こんにちは。蚊を一撃でしとめるのが得意な、みにしばです。
たっぷり血を吸わせて、蚊自身の重みでヨロヨロ低空飛行しかできなくなったところを狙う「先負け戦法」ですのよ。

 

旧暦6月(水無月みなづき)=新暦7月に入り、あたたかい南風が吹きはじめると、蓮(ハス)が花を咲かせます。

蓮は仏教のシンボルフラワー。それだけじゃない魅力をお伝えします。

蓮と月と女性は一緒に満ちる?!

信州は旧暦なので1ヶ月遅れで8月に旧盆のところが多いのですが、都会では今がお盆ですね。

旧暦というのは、月の満ち欠けが基本です。

29.5日周期の月のリズムは、女性の生理の周期とも同じ。月は女性原理を表します。女性の出産にも月は大きく関わっていて、満月や新月の時に出産が多いとされるのは今や迷信でなく、科学的に立証されたことなのだそうです。

 

2018年、この時期は、三日月から半月、そして満月へと満ちてゆきます。   蓮(ハス)も、申し合わせるように、つぼみを膨らませてゆくのです。 ちょうどこの頃、一番花が咲くのでしょうね。  

 

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みにしば
月と呼応するなんて神秘的!

蓮ってどんな植物?

 

インド原産だけど世界中に分布
インド、ベトナム、スリランカの国花
水底の土中に塊茎をつくり、そこから葉と花茎を水面に伸ばす水生多年植物
7~8月にピンクか白の花を咲かせる 早朝に咲き、昼には閉じる
「蓮根」(レンコン)は実は根でなく、地下茎が肥大したもの。
葉・茎・根はぼ全てが食用・薬用になる 数々の遺跡にも描かれた古代植物

 

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みにしば
花を見るなら早朝ね!
 
 
 

 

花びらが落ちると蓮の実がむき出しになります。まるで蜂の巣みたい。
万葉集などに古くは「はちす」の名がでてきます。
ただ綺麗なだけじゃない。どこを食べても美味しくて体に良いらしいんです。
 

蓮の実はつなげて数珠にするものであることから、一心に念仏を唱えれば極楽浄土にいけるとされ、日本での蓮イメージが、いつの間にか、お盆やお葬式を連想されるようになったとか。

 

開花1日目の蓮。3日目には白っぽくなる。4日目閉じることなく散る。

 

日本では仏教と関連した意味を持っていましたが、インドでも季節を問わず人気の花。中国では古来からの、蓮は「俗人に染まらない君子の花とされ清廉な花のイメージが強いそうです。

 

恐竜より強い?!蓮は最強植物

蓮は1億4千万年前、ポルトガル、アメリカ、カナダなど世界各地(ほどんどが北半球)から白亜紀の化石が出土しています。

1億年前全盛期だった恐竜と、共存していたと思われます。

 

日本の蓮の歴史について、検索すると「東京大学の大賀教授が2000年前の種を発芽・開花させた大賀ハス」のインパクトに引っ張られがちです。奈良時代に渡来人が伝わった記述もありますが、それは仏教的イメージの話。

日本では7000万年前の化石が福井県で出土してますし、北海道から九州まで各地で蓮の化石が発見されているようです。私たち人類=ホモサピエンスの起源が30万年ほど前ですから、渡来人が来る前から自生していたのです。なんでもかんでも大陸から恵んでもらってるわけではありませんよね。

 


蓮は1億4千万年のあいだ、何度かの過酷な氷河期をくぐり抜けて、今日まで生き延びている貴重な古代植物なのです。

なんと恐竜よりサバイバル能力があるとは。ミミズ同様、生き物として大先輩ですね。

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4.6億年のサバイバル術!!黙って負けてるフリをせよ【旧暦第20候 蚯蚓出ミミズいずる】

 

 

蓮は女神ってインドが元ネタ?!

はじまりはインド?!

紀元前3000年前、インダス文明の遺跡から発見された地母神像の髪が、蓮の花で飾られていたんですって。

もともとインドでは「生命」を生みだす女神は「生命あるものすべての母であり、大地である」と賞賛されていたようで、アーリア人が侵入し宗教がおこる以前の古代から、かなり崇高な花として扱われていたのがわかります。

インドの国花は蓮。蓮の女神が世界創造の神を授けられた神話もあるくらい、蓮は今でもインド人にとって特別な花です。

ヒンドゥー教と仏教の発祥の地インド、起源は紀元前5世紀ころ。

蓮の化身となったインド女神の元ネタがこちら。

Постер изображение индийской богини Лакшми

美と富と豊穣と幸運を司る、ヒンドゥー教の女神ラクシュミー

蓮の花に囲まれているヒンドゥー教の女神ラクシュミーです。

 

台座の蓮の花は、神聖なる真理

周りの蓮の花は、それぞれ美・豊譲・幸運をあらわしています。

 

 

 

インドの神様が日本に

現在の七福神メンバー

蓮の女神ラクシュミーは日本に伝わり、仏教で吉祥天(きっしょうてん)、密教で功徳天(くどくてん)という名前で取り入れらました。

この吉祥天、美貌と富と幸運を活かして日本で七福神のマドンナポジションに登りつめた末、弁財天にその座を奪われるという神様界の女子バトルを繰り広げるのですが、そのお話はまたの機会に。

 

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世紀を越えた女神のバトル!【旧暦第32候 蓮始開はすはじめてひらく】

 

台座の蓮の花は、神聖なる真理が転じて、蓮の花が極楽浄土に咲く花=悟りの世界の象徴となったようです。日本でも、縄文文化の土偶なんかは妊娠した女性をかたどったものだし、太古の昔は女性の神秘性が尊ばれて女神信仰があったくらいなので、結びつきやすかったのでしょうね

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みにしば
日本に来たらちょっと地味になりましたね
 

 

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みにしば
蓮の台座にいらっしゃる
蓮の花は仏教で「悟り」の象徴だから
いろんなモチーフに使われているのね

 

 

 

江戸時代の年中行事

旧暦6月24日は、 中国では盛夏の一時を親しい友人を招いて、蓮を鑑賞しながら宴をする観蓮節。観蓮節は夏の風物詩でした。

そんな風習は日本にも伝わり、全国で観蓮会=蓮見が催されました。極楽浄土を体験できるて縁起良さそう。

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江戸名所図会の不忍池蓮見

江戸っ子たちに大人気だったようで、たくさんの浮世絵が残っています。

“不忍池は江戸第一の蓮池(れんち)なり。夏月に至れば

 荷葉累々として水上に蕃衍(はんえん)し、花は紅白色を

 まじへ、芬々(ふんぷん)人を襲う。 蓮を愛するの輩

 (ともがら)、凌晨(しののめ)をことさらの清観とす“

 

江戸時代のガイドブックに「江戸名所図会の不忍池蓮見」と書かれています。

凌晨(しののめ)というのは早朝のこと。夏、夜明けのほのかに明るくなるころが、おすすめのようです。

 
「風流六歌仙 僧正遍照」  鈴木晴信
はちす葉の にごりにそまぬ心もて なにかは露を 玉とあざむく

【歌の意味】

蓮の葉が泥の中で育ったのに、濁りに染まらない清い心を持ちながら、どうして葉の上の露を玉のように見せかけて欺くのだろうか。

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みにしば
僧正遍照さん、恋をしていたのかしら?

蓮✕信州旧暦暮らし

蓮の思い出

 

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みにしば
近所のレンコン畑に行ってきました。 今年は日照り続きのせいか食用の蓮根畑なのに赤みの強い花がたくさん! 80代仲良しご夫婦は、昔はお盆のお供え用に、地元なわて通りの露店に卸していたんですって
 

蓮(ハス)の花って、とっても大きいんですよね。最近は、コンビニでも蓮の実や、菊の生花をお供え用に目にします。

「小さい頃、お盆になると蓮の花を買いに行かされたもんだよ」と、お年寄りの方々。

信州松本・四柱神社の鳥居前の露店に、お供え用の蓮(ハス)が売られていたのだそう。

「子どもながらに、抱えて帰ったよ」と、地元のおばあちゃん。

宗教や風習も多様化していますが、なわて通りは長屋風の独特な雰囲気なので、昭和初期の様子もなんとなくイメージできますよ。

今の様子はこちら↓

日本一カエルを愛するなわて通り!【旧暦第19候 蛙始鳴かわずはじめてなく】

信州×蓮のみどころ

 

今年は蓮を見に行ってみようかな…。

そんなあなたに、こちらの情報サイトをどうぞ。さわやか信州旅「信州花だより」 は、花の咲き具合がわかるのでおすすめです。

井戸尻遺跡の蓮

 

その中でみにしばが、推すのは諏訪郡富士見町の井戸尻遺跡です。夏の開花時期以外にも、冬のイベントで蓮の葉茶のプレゼントがあったり、春は蓮や睡蓮の苗を安売りしてたり、秋はレンコン堀りとなにかと蓮に親しみやすい。

世界的に有名な土偶「縄文のビーナス」(国宝)などを所蔵していて、最近の土偶ブームで土偶作り教室はキャンセル待ちとか。

日本の古代史の中で、信州の諏訪・八ヶ岳山麓を中心にエネルギーに満ちた縄文時代中期。人口も、遺跡数も信州が日本一で、各地から貴重な物資が集まる祈りのパワースポットだったんです。

古代からもっとも有名で称賛されてきた水生植物と、5000年前の祈りの場所に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

【旧暦72候 第32候蓮始開】を起点に、時間軸を1億年さかのぼり、インドから中国を経て日本まで約6000km。

ただ綺麗なだけじゃない。どこを食べても美味しくて体に良い(らしい)。

蓮は、夜と昼を橋渡しするタイミングで咲き、時を司り

月のリズムと同期する女性への自然崇拝・女神信仰の象徴だったのです。

「仏教のシンボルフラワー」と言うよりは

そんな蓮のカリスマ性を、時の権力者や宗教がブランディングに利用したのかもしれませんね。

 

 

 

出典:

仏像のある暮らし http://www.taradou.com/?mode=f61

唐草図鑑 https://www.karakusamon.com/hasu.html

京都蓮研究会 http://www.ihasu.net/history.html